天使が舞い降りる。
サイの青色の瞳が見開かれる。
「奈々子に……?」
「うん」
奈々子は……サイが死んで、かなり心を病んでいる…。
「今日みたいに、姿は相手に見えないだろうけどさ……だけど、奈々子にも会いたいでしょ?」
会いたいに、決まっているよね。
サイは奈々子が見えても、奈々子からはサイの姿は見えない。
だけど……たとえ一方通行でも、奈々子の伝えられなかった想いは、サイに届く。奈々子の願いは叶えられる。
会いに行くべきだ。この先、二度と会えなくなってしまうなら尚更……
「ごめん……」
「え?」
「オレは……奈々子に会いに行くことはできない」
でも、サイから返ってきた言葉は……私の予想していたものとはだいぶ違っていた。
「どういう……意味……?」
なんで、奈々子に会わないの?
サイは……奈々子が好きだったんでしょ?