天使が舞い降りる。



サイの青色の瞳が見開かれる。


「奈々子に……?」


「うん」


奈々子は……サイが死んで、かなり心を病んでいる…。


「今日みたいに、姿は相手に見えないだろうけどさ……だけど、奈々子にも会いたいでしょ?」


会いたいに、決まっているよね。


サイは奈々子が見えても、奈々子からはサイの姿は見えない。


だけど……たとえ一方通行でも、奈々子の伝えられなかった想いは、サイに届く。奈々子の願いは叶えられる。


会いに行くべきだ。この先、二度と会えなくなってしまうなら尚更……






「ごめん……」


「え?」


「オレは……奈々子に会いに行くことはできない」


でも、サイから返ってきた言葉は……私の予想していたものとはだいぶ違っていた。


「どういう……意味……?」


なんで、奈々子に会わないの?


サイは……奈々子が好きだったんでしょ?








< 139 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop