天使が舞い降りる。
もっと、気の利いたことは言えなかったのだろうか……
「意気地なし!」って……
サイの故郷への旅を終えて、早くも3日が経った。
―『奈々子の気持ちなんて、全部わかってる。でも、もし奈々子に会ったら……
オレはたぶん、奈々子を殺してしまう』
数日前の、サイの言葉が再び頭の中を蘇る。
私が思っていた以上に……サイは奈々子が好きなんだ……。
一緒に、あの世へ……連れて行こうと思ってしまうほどに……。
だけど……
本当にこのままでいいのだろうか……?
本当にこのまま何もせず、サイが勝手に成仏するのを待てっていうの?
それが……いい結果なの?
トボトボと、そんなことを考えながら……昼休みの廊下をひとり歩いていたときだった。