天使が舞い降りる。



駅に向かい、電車に乗る。


降りてすぐ、走って家までたどり着いた私は2階の窓に向かって叫んだ。





「サイー!!」





親は仕事でいない。近所迷惑になろうが、そんなことどうでもよかった。


2階の私の部屋に……サイはいるはず。


案の定……


「涙!?お前、学校は!?」


窓を開けて、サイが驚いたように顔をのぞかせてきた。




「いいから、ちょっと来て!!」


「は?」


「ついてこいって言ってんの!!」


窓から一度消えたサイが、しばらくしてガチャッと玄関から出てくる。


「涙、いきなりなに言って…」


「一緒に来て!!」


「うおっ!?」


サイの手をつかみ、私は再び駅に戻った。









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