天使が舞い降りる。



奈々子を殺すなんて、サイは絶対にそんなことしない。


だってそれは、どんな愛の形であれ、寂しいから一緒にあの世へ連れて行くという自分勝手にすぎないから。


だから、サイは……


絶対にそんなことしない。





「本当は、怖かったんでしょ…?」


驚いてこっちを見る、サイの手をギュッと握る。


「奈々子の気持ちを聞いて、離れたくなくなること……会えなくなることが……


サイは、怖かったんでしょ……?」


私のしていることが、本当に奈々子やサイにとって、正しいのかはわからない。でも……何もせず、ただ待っているだけってのは、絶対に間違っていると思ったから。





「もう……終わりにしよう?サイ」



残る心のモヤモヤを……取り除こう?







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