天使が舞い降りる。



「サイ……好きだよ……大好きだよ……っ」




私は気づいた。



サイの体が……消えかけている……。




「サイに会えて……私、幸せだったよ……」


「うん……オレも」



まるで、奈々子の放たれるひとつひとつの言葉に比例するように……








「ありがとう……サイ……っ!!」





それが……奈々子がサイに送る、最後の言葉となった。












「サイ……?」




奈々子にはもう、サイの姿は見えていない。







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