天使が舞い降りる。
ということは……クラス替えが行われるまでの一年間、また最初の頃みたいにひとりで過ごすことになるのかな?
そう思うと、悲しくなってきた。
だけど…
それから数分後、チャイムが鳴り、3時間目の授業が終わりを告げたときだった。
「るーいー!」
「…っ!?」
突然…隣からガバッと咲乃が抱きついてくる。
えっ!?
地球が逆転でもしてしまったのかと思った。
だって、さっきまでろくに視線すら合わせず会話もせず、休み時間のたびに私を置いて翔子たちのところへ行っていたのに…
どういう風の吹き回しなのか。
キツめの咲乃の香水の香りが、頭の脊髄を刺激する。
「な、なに…?」
「もう~、まだなんか怒ってんの?」
「いや…そういうわけじゃ、ないけど…」
咲乃が、至近距離で顔を覗き込んでくる。
さっきまでと打って変わって態度が一変したのだ…警戒をしないほうがおかしいと思う。
わざとらしい満面の笑みに、裏があるような気がして…
そんな私の考えなどどうでもいいといったように、目の前の咲乃は口を開いた。