天使が舞い降りる。
「今日の放課後さあ、駅前のカラオケ行こ!」
は?
「カラオケ…?」
「そう。久々に、翔子と愛姫と4人で!ね?」
もしかして…
咲乃にとって、先ほどの出来事など特に重要なことではないのだろうか?もっと、怒っているかと思っていたのに…
「いいけど…」
私は小さく頷く。さっきのことを掘り起こして、また険悪な雰囲気にはなりたくないし…。自分自身、仲直りしたいと思っていたから、正直、ちょうどよかった。
咲乃たちだって、まさか本気で心の底から人の不幸を笑っていたわけじゃないだろうし…
どちらからと謝ったわけじゃないから、仲直りの仕方がすごい曖昧なものになってしまったけど。
こうして話しかけてきてくれたってことは、さっき3人でいたときに言っていたのは私の悪口ではなかったのかもしれない。
本気で嫌ったのなら…こうして遊びに誘ってくれたりはしないだろう。
「やった!ありがと~涙~」
そんなことを……少しでも考えた、私がバカだったのだ。
あれ…?
騒がしい周りの音で、私は閉じていた瞼をゆっくりと開けた。
いつの間にか眠ってたみたい。教壇に先生はいなくて、時計を見ると、昼の12時を7分ほど過ぎていた。