天使が舞い降りる。
咲乃…?
「えーそうなの?あたし、4人でいることはあっても、涙とふたりでいることってないからなー」
「まあ…このメンツでは一番地味だよね、はっきり言って。たまに思ってたもん、なんでこの子うちらのグループにいるんだろって」
「あはは!翔子ひどい!」
「咲乃に言われたくはないよね」
指先が、震える。
「あれ、でも咲乃。涙とは親友なんでしょ?」
「はあ?なに言ってんの愛姫。最初ひとりでいたから声かけてあげただけだよ。あたしが声かけるまで、あいつ友達いなかったもん」
「まじ!?涙ってジメジメして根暗っぽいもんねー」
「ぷっ…その言い方キノコみたいなんだけど」
キャハハ!
大きな笑い声が反響する…。
このドアの向こうで話しているのは、本当にあの3人なのだろうか…?今まで、上手くやってきたつもりだった。咲乃の悪口だって、怒ったのは今日が初めてで…
確かに咲乃が声をかけてくれるまでは、ひとりだったけど…
あんただって、ハブかれてひとりだったくせに…
咲乃はずっと……私をバカにしてたの?
咲乃だけじゃない。翔子も、愛姫も…
表だけは仲いいふりして…本当は私のこと、地味とか、話合わないとか思ってたんだ。
そんなことも知らずに、いままで笑ってきたなんて……そんな自分に涙が出そうになる。