天使が舞い降りる。



足早に教室へ戻ってきた私は、バサバサと荷物をまとめた。


いきなり帰り支度をはじめる自分を、クラスメートがお昼を食べながら不思議そうに見てくる。


「夜々木さん、帰るの?」


「うん…」


近くにいて質問してきた女の子に短くそう返事をして……私は教室を出た。





バカみたいだ…


聞きたくもない他人の悪口を散々聞かされ、笑いたくもないのに笑って、頷いて…


結局自分も、陰でボロクソ言われてんじゃん。


「空っぽだ……」


ボソリと、小さくつぶやく。


世間体ばかりを気にする親、


陰口を言う友人、都合のいいときだけ利用してくる友人…







世界はそんな、ごみクズ人間の集まり。






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