天使が舞い降りる。
―ガチャ
私は玄関のドアを開けた。
「ただいま…」
そう言って、中に入ったときだった。
「涙!!」
同時に大きな怒声が玄関中…いや、家中へと響き渡る。
ああ、やっぱり…
不安は、確信へと変わってしまった。
学校の、午後の授業をさぼってしまったこと……それが、学校から家に連絡がいってしまったみたいだ。
―ドタドタ…!!
物凄い勢いでこちらに向かってくる足音。
家の中から姿を現したのは…
すごい剣幕で怒りを露わにした…私の母だった。
―バチン!!
一瞬…
何が起こったのかわからない。
視界が揺らぐ直前に見たのは、大きく振り上げられた母の右手だった。