天使が舞い降りる。



冗談じゃない。


「あたし、別に公務員とかなりたくないんだけど…」


勉強なんてしたくない。


公務員とか、絶対倍率は高いし、試験だって難しいじゃん。


特になりたくもないのに、そんな努力は無意味に決まってる。


私は普通でいい…。


だけど、そう言った瞬間、母の怒りのはらんだ目が瞬時にこちらへ飛んでくる。


「あんた…いつまでそんなこと言ってるつもり?公務員になりたくないって、じゃあ何になりたいの」


「それ…は…」


別に、そんなの…


「私、まだ高校2年生だよ?やりたいこととかさ、これから見つけていけばいいことじゃないの?」


「そんなこと言って…どうせあんたのことだから勉強もせずダラダラ生活していくんでしょ?いいから予備校に通っときなさい」


「学校はどうすんの?」


「そんなの、終わってから行くに決まっているじゃない」


それを聞いた瞬間、バンッ、と乱暴に箸をテーブルの上に置く。


これ以上、なにを話しても無駄だと思って…


お父さんが残業でいなくてよかった。


母にこんな悪態を取っているところを見られたら、間違いなく怒声が飛んできていたところだ。







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