天使が舞い降りる。
生まれたときから勉強、勉強と言われ続け…
あれをしたい
これをしたい…
稀に漏れた私の希望は全て、
「そんなの、いい仕事に就くのになんの価値もない」
そう、否定され続けてきたから…
可愛くて優しい、誰からも愛される奈々子。
変人だけど、かっこいいサイ。
ふたりの周りには、黙っていても人が集まってくるのだろう。
だけど、私は違う。
ふたりみたいに、特別外見がいいわけじゃなくて…
勉強だって普通だし、人並み以上に持っている才能は何もない。
だからだれも……私の言葉なんて、聞いてくれない。
「自分の考えを言わないから」って、サイは言うけど…
「そんなの……サイだから言えることじゃん……」
呆れたように、そして自笑的に笑う。
私の気持ちは私にしかわからない。誰にもわからない。
そんな私にサイは言った。