天使が舞い降りる。
学校に着いたときには、雨はすっかり激しくなっていた。
「最悪…」
制服も髪もびしょ濡れ…
「やあーもう濡れたー!」
「天気予報見てきなさいよーもう」
自分同様、雨で濡れた生徒が何人かいる。
「急に降ってきたなあ」
「おい!これから強風豪雨だってよ!」
私は教室へと向かった。
「あっ、涙!」
教室のドアを開けると、私だと気付いた咲乃たちが駆け寄ってくる。
「昨日、どうしたの?トイレから戻ってきたらいなくなってるし~!ってかめっちゃ濡れてない!?これで拭きなよ!」
咲乃が持っていたタオルを差し出してくれる。雨の日は、いつも愛用しているのだ。
「カラオケ行こうねって言ったじゃーん」
「あはは…ごめんね?急に、具合悪くなっちゃって…」
実は、私がトイレでの自分の陰口を聞いていたこと……目の前の3人は夢にも思っていないのだろう。
それでも私はヘラヘラと笑う。
ひとりでの学校生活は……絶対にイヤだから。