ルージュのキスは恋の始まり
「な、何言ってるんですか?そんな賭け無効です!」

「反論は受け付けない。お前もいい加減、自分の本能に従ってみたら?」

「・・・・」
 
「美優」

 私の名前を優しく囁いて、龍神社長の唇がゆっくりと私のに重なる。

 私が抵抗しないのがわかると、彼のキスは激しくなった。

「・・・・!」

 奪われる!

 理性を失いそうなほどキスに応えていると、急に彼は私から離れた。

 勝ち誇ったような笑みを浮かべて、私を見据える。

「ほら、これがお前の答え」

「違う!」

「せいぜい悩め。でも、俺は待たないぞ」

「龍神玲王、あなたなんか大嫌い!」
< 101 / 391 >

この作品をシェア

pagetop