ルージュのキスは恋の始まり
「・・・・。冗談でしょう?素人の私には無理よ!」

「美優が一番適任なんだ。他のモデルは今回はちょっとね」

 大河が言葉を濁す。

「勝手に決めないでよ。絶対に嫌よ」

「美優はただ立ってるだけでいい。表情は俺達に任せて」

「でも、・・・・この撮影、キスするんでしょう?」

 姉弟じゃあ、あり得ないよ。

 何考えてるの、大河。

「俺はキスしないから安心して。角度でそう見えるようにするから」

「全然安心なんか出来ないよ 、大河」

「美優、時間がないんだ。諦めて」

「無理よ」

「美優はこの高橋大河の姉なんだよ。姉さんなら出来る 」

「最初から企んでたでしょう?モデルが風邪引いたなんて嘘でしょ。ネックレスの話も私を誘き出すためよね。何でこんなことするの?」
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