ルージュのキスは恋の始まり
 美優が笑って過ごすことが俺の生き甲斐。

 平穏な日常。

 だが、親父が交通事故で亡くなると俺は選択を迫られた。

 あんなに毛嫌いしていた芸能界。

 でも、俺は美優の生活を守るために自分のプライドを捨てた。

「美優、俺、芸能界入るから」

「本気なの?スカウトされても嫌がってたのに」

 俺は笑って美優に宣言した。

 美優は反対したけど・・・・。

 美優に変なバイトさせるくらいなら、俺が稼ぐ。

 俳優という職業は俺にとっては幸いにも天職だった。

 それもそのはず。

 俺は弟という役をずっと演じ続けていたのだから。

 運にも恵まれ、出演作が次々とヒット。

 俺の名前は世間に知られるようになった。

 金にも今は困っていない。

 普通の暮らしをしていけば、美優を一生養えるだけの蓄えもある。

< 151 / 391 >

この作品をシェア

pagetop