ルージュのキスは恋の始まり
 前向きな姿勢。

 口だけかと思ったけど、案外努力家なのかもしれない。

 それに比べて私はどうだろう。

 日々平穏無事に済めばいいって思ってて、無気力なまま生きてて・・・・。

「私は・・・玲王みたいには出来ないな」

 私が哀しく笑うと、玲王にパシッっと頭を軽く叩かれた。

「痛い!」

 私が頭を押さえると、玲王が私を睨んだ。

「五体満足なくせに甘えるな」

「だって・・・・」

「だってじゃない。もうお前もいい加減殻から出てこい。現実をちゃんと見ろ」

 玲王は真剣な表情で私に説教する。

「大河の事を調べたから、お前が過去に何があったかも知っている。お前の問題はここだ」
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