ルージュのキスは恋の始まり
 それを見た玲王が立ち止まる。

「美優さん、大丈夫ですか!ごめんなさい。私が呼び出さなければ・・・・」

「大丈夫だよ、百合ちゃん。ちょっと切っただけ。それに百合ちゃんのせいじゃないよ」

「でも・・私のせいで。大河さんになんて言ったらいいか・・・・」

「だから、百合ちゃんのせいじゃないよ」

 私は百合ちゃんに向かって微笑みながら半泣き状態の彼女の頭を撫でる。

「あんたが悪いんじゃない。大河には俺からも連絡を入れておく。心配するな」

 玲王も優しく百合ちゃんに声をかける。

「これ、美優さんの着替えです」

 百合ちゃんが申し訳なさそうに玲王にバックを手渡す。

「ああ、悪いな」

 百合ちゃんからバックを受け取ると、玲王は彼女に微笑する。
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