ルージュのキスは恋の始まり
18、心配性な俺 ー 大河side
「大河さん 、ごめんなさい」

 レコーディングが終わると、赤い目をした百合ちゃんが俺の目の前に現れた。

「どうしたの?」

 俺が彼女に駆け寄ると、彼女は堰を切ったように泣き出した。

「ううっ・・美優さんが・・美優さんが・・・・」

 百合ちゃんの涙が頬をつたる。

 ズボンのポケットからハンカチを取り出すと、俺は彼女の涙を拭った。

「百合ちゃん、落ち着こうか」

 百合ちゃんの肩を抱きながら、近くにあったソファーに座らせる。

「着替えを美優に届けに行ってくれたんだよね?その時、何かあったの?」

「・・美優さんが・・男に・・襲われ・・て怪我を」
< 213 / 391 >

この作品をシェア

pagetop