ルージュのキスは恋の始まり
21、一人ぼっち ー 美優side
「・・・・」

 朝起きると、ベッドには私一人。

 温もりもない。

 大好きな腕もない。

 全て夢か幻だったのではないだろうか?

 でも、身体が気だるい。

 それだけが昨夜何があったかを物語っていて・・・・。

 ゆっくり起き上がる。

 私の横は冷たい。

 玲王が起きてからかなり時間が経っている?

 彼はどこへ行ったのだろう?

「今・・何時なの?」

 ベッドサイドの時計を見るともう9時を過ぎていた。

「嘘でしょう?完全に遅刻じゃない」

 慌ててベッドを出ようとするが、身体がいうことをきかない。

 ベッドの前で腰が砕けてそのまましゃがみ込む。
< 244 / 391 >

この作品をシェア

pagetop