ルージュのキスは恋の始まり
 玲王はもう行ってしまったのだろうか?

 身体に鞭打ってなんとかダイニングに向かう。

「・・・・」 

 やっぱり玲王の姿はなかった。

 彼の姿が見えないのがこんなにも淋しい。

 身体中の力が一気に抜けていく。

 代わりにダイニングテーブルにラップされたフレンチトーストとメモが置いてあった。

" 今日は身体が辛いだろうから会社は休め "

 玲王はいつ起きたのだろう?

 起こしてくれれば良かったのに・・・・。

 私の身体を気遣ってくれるのはわかる。

 肌を重ねればもっと玲王に近づけると思ってた。

 でも、何だか彼が遠くなったと感じるのは気のせいだろうか?

 からかわれて、頭を小突かれている方がもっと彼を身近に感じる。
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