ルージュのキスは恋の始まり
 彼女の頬にそっと手を当てる。

 確かに、痩せた気がする。

 メールだけでもしておくべきだとは思う。

 だが、その簡単な事ができない。

 結局、俺は逃げている。

 美優はあの夜の事をどう思っているのだろうか?

 俺は・・彼女にろくな言葉も囁いてあげられなかった。

 " 愛してる "って、女なら誰でも言って欲しかったはずだ。

 昔は嘘ならいくらでも言えた。

 それも、何とも思っていない女に。

 だが、今は・・・・。

 明日こそは彼女との時間を作ろう。

 大事な事を明日に延ばす俺はやっぱり・・・逃げてるな。

 そのせいか、首の痣がズキズキ痛く感じる。

 俺が何かに直面してる時は、この痣は決まって痛くなる。

 俺は人を信用してない。
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