ルージュのキスは恋の始まり
「・・・・」 

 亜紀ちゃんの様子がおかしい。

 何でこんなに狼狽えてるの?

 そんな亜紀ちゃんを見て井上君がクスクス笑ってる。

 彼の笑い声を聞いて、亜紀ちゃんがコホン、コホンと咳払いした。

 ん?

 この2人・・・・なんか怪しい。

 私が怪訝に思っていると、亜紀ちゃんは話題を変えてきた。

「美優先輩、ひょっとしてそろそろ戻れるんですか?」

 亜紀ちゃんが瞳を輝かせながら聞いてくる。

「ごめんね。まだいつ戻れるのかわからないの」

 私が首を横に振ると、亜紀ちゃんはがっくりと肩を落とした。

「残念。美優先輩に早く戻ってきて欲しいな」 

「本当にごめんね。その代わりランチ奢る。もうすぐ昼食時間でしょ?久々にここの社食で食べたいな」
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