ルージュのキスは恋の始まり
「じゃあ、デザート付きですよ!」

 すっかり機嫌の良くなった亜紀ちゃんがいつものようにはしゃぐ。

 それを見た井上君がすかさず突っ込みを入れた。

「先輩にたかるな、亜紀」

「・・・・」

 亜紀?

 やっぱりこの2人デキてるよね?

 井上君の雰囲気がかなり変わったし、あの亜紀ちゃんが彼に反論しない。

 私が訝しげにチラリと井上君の方を見ると、彼は柔らかな笑みを浮かべコクリと頷いた。

 凄く優しい笑顔。

 亜紀ちゃん、愛されてるな。

 良かった。

 それから3人で社食に移動して席に着くと、見覚えのある人影。
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