ルージュのキスは恋の始まり
「井上君、メイク落とし取って!」
私の不機嫌な声に井上君が若干びびっている。
「・・・はい」
おどおどしながら井上君が私にメイク落としを手渡す。
そんな彼を見てちょっと心が傷んだ。
ああ、井上君が悪くないのにごめんなさい。
でも、この口紅早く取りたいの!
心の隅で井上君に詫びながらも、メイク落としを受けとると、すぐに口紅を拭った。
どうせなら記憶からもこうやって消せたらいいのに。
これでもかという程大きな溜め息をつくと、亜紀ちゃんが恐る恐る聞いてきた。
「・・・美優先輩、打合せ上手くいかなかったんですか?」
「・・・・もう最悪。社長の顔なんか2度と見たくないわ。これ以上はお願いだから聞かないで」
力なく呟きギュッと目を閉じる。
この1時間足らずの間にげっそりやつれたような気がする。
今日はこれ以上仕事をする気にもなれない。
私の不機嫌な声に井上君が若干びびっている。
「・・・はい」
おどおどしながら井上君が私にメイク落としを手渡す。
そんな彼を見てちょっと心が傷んだ。
ああ、井上君が悪くないのにごめんなさい。
でも、この口紅早く取りたいの!
心の隅で井上君に詫びながらも、メイク落としを受けとると、すぐに口紅を拭った。
どうせなら記憶からもこうやって消せたらいいのに。
これでもかという程大きな溜め息をつくと、亜紀ちゃんが恐る恐る聞いてきた。
「・・・美優先輩、打合せ上手くいかなかったんですか?」
「・・・・もう最悪。社長の顔なんか2度と見たくないわ。これ以上はお願いだから聞かないで」
力なく呟きギュッと目を閉じる。
この1時間足らずの間にげっそりやつれたような気がする。
今日はこれ以上仕事をする気にもなれない。