ルージュのキスは恋の始まり
「あっ、ルージュのキャンペーンが終わったら美優ちゃん研究室に戻れるわよ。嬉しいでしょう?」

 歩さんが私の気分を盛り上げようとしてくれているが、今の私は何でも否定的にしかとらえられない。

 玲王の口から直接聞きたかった。

「・・・とうとうお払い箱か」

 歩さんに聞こえないように小さく呟く。

 今日行って感じたけど、もうあの研究室に私は必要ない。

 みんな変わったし、そして・・・・私も変わった。

 私の居場所はもうどこにもない。
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