ルージュのキスは恋の始まり
「亜紀ちゃん、井上君、悪いけど私、今日はこれで帰るね」
「ひょっとして弟さんのお迎えですか?今度会わせて下さいよ。美優先輩の弟さんならきっと美形だろうな。子供の頃の写真だってこんなに可愛いし」
亜紀ちゃんが私の机の上の家族写真を指差す。
両親と大河と私の4人で撮った家族最後の写真。
母は自分が癌とも知らず、この写真を撮った1か月後に亡くなった。
父も私が大学2年の時に交通事故で他界。
大河もこの時、大学1年。
それまで芸能プロダクションにいくらスカウトされても頑なに拒否していたのに、突然芸能界入りを決意した。
運が良かったのかすぐに戦隊もののヒーロー役でブレイクして、今ではすっかり人気俳優の仲間入りをしている。
多分、大河は私を守りたかったのだろう。
父が亡くなった時、経済的理由から私は大学を辞めようとしていた。
「ひょっとして弟さんのお迎えですか?今度会わせて下さいよ。美優先輩の弟さんならきっと美形だろうな。子供の頃の写真だってこんなに可愛いし」
亜紀ちゃんが私の机の上の家族写真を指差す。
両親と大河と私の4人で撮った家族最後の写真。
母は自分が癌とも知らず、この写真を撮った1か月後に亡くなった。
父も私が大学2年の時に交通事故で他界。
大河もこの時、大学1年。
それまで芸能プロダクションにいくらスカウトされても頑なに拒否していたのに、突然芸能界入りを決意した。
運が良かったのかすぐに戦隊もののヒーロー役でブレイクして、今ではすっかり人気俳優の仲間入りをしている。
多分、大河は私を守りたかったのだろう。
父が亡くなった時、経済的理由から私は大学を辞めようとしていた。