ルージュのキスは恋の始まり
「しばらく百合ちゃんのところに置いてくれないかな?住むとこが決まるまででいいの」

「私はいつまでも居てくれても良いですけど。でも、婚約者がいるって龍神社長が言ったんですか?」

「ううん。婚約者が今日現れて・・・・」

「龍神社長と話をしたらどうですか?きっと何かの間違いかも。美優さんお腹空いてません?何か食べましょう?パスタで良いですか?」

 私を励ますように言って百合ちゃんがパスタを作り始めた。

 彼女がパスタソースを作り始めると、バジルの匂いがしてきた。

 好きだったはずなのに、身体が拒絶反応を起こす。

 ・・・・気持ちが悪い。

 ・・・・吐きそう。

 私が口を手で押さえていると、それに気づいた百合ちゃんが慌ててトイレに案内してくれた。
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