ルージュのキスは恋の始まり
 メッセージの内容が知りたいが、聞く勇気も見る勇気もない。

 そのまま放置して携帯を鞄に入れた。

 見えるところにあるときっと気になってしまうから。

 百合ちゃんが用意してくれたお風呂に入ってもボーッとしたまま。

 その後、布団に入ったが眠りは訪れない。

 目を閉じても全然眠れない。

 不安が私を襲う。

 結局あまり眠れず朝を迎えた。

 時計を見ると6時前。

 百合ちゃんが突然飛び起きたかと思うと、よろよろしながらバスルームに向かった。

 私も布団から出て着替えを済ます。

 百合ちゃんは顔を洗ったのか目がスッキリしていて、昨夜の事なんてなかったかのように私ににっこり笑って言った。

「おはようございます」
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