ルージュのキスは恋の始まり
 玲王、ごめんね。

 我が儘な私を許して。

 百合ちゃんと一緒に彼女のマンションに戻ると、私は玲王が残したメッセージを勇気を出して聞いた。

『今どこにいる?無事にいるかだけでも知らせてくれ』

 メールの内容も同じものだった。

 久しぶりに聞く玲王の声。

 もう彼の顔を見ることも、彼の声を聞くこともないかもしれない。

「連絡出来なくてごめんなさい」

 身を引き裂かれそうな思いで、携帯から玲王の連絡先を削除した。
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