ルージュのキスは恋の始まり
「寝言じゃないの?」

「どっちだと思う?美優が納得するまで何度でも言うけど。寝言だとしても、どんだけ俺が美優に惚れてるかって話だろ?」

「でも、西園寺さんは?」

「俺の婚約者じゃない。死んでもあんな女は選ばない。これで納得した?」

「でも・・・私・・迷惑じゃないの?」

「だったらここにいない。ずっと一人にして悪かった。・・・怖かったんだ、自分の感情が。自分の頭の中が全部美優でいっぱいになって・・自分でどうしていいかわからなくて逃げてた。俺はヘタレだな」

 玲王が自嘲する。

「・・・玲王の側にいてもいいって事?」

「拒否されても逃がさないけどな。今日でアンジュの社長は辞めてきた。でも、個人資産があるから生活には困らない。俺達のひ孫まで養えるくらいの余裕はある」
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