ルージュのキスは恋の始まり
「ほら、いい子だから寝なよ」

「井上君・・・・」

「いい加減、それなんとかならない?俺の名前知ってるよね?」

「・・け・慶介」

「良く出来ました。今度こそお休み」

 慶介が私の唇に触れ優しくキスをする。

 柔らかくて甘い・・・・。

 それはキスの魔法。

 何だかふわふわして幸せな気分。

 私って・・慶介の事好きだったのかも。

 そんな想いを何となく自覚しつつも、数十秒後には私は夢の中。

「さあて、式の日取りはいつにしようかな?」

 私の寝顔を見ながら慶介がとんでもないことを呟いていたなんて、この時の私は知らない。

 私は可愛い羊の仮面を被った腹黒狼にまんまと捕まったのだ。



番外編(亜紀)ー豹変する男 fin (2014.10.27)
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