ルージュのキスは恋の始まり
 誓いのキスになると、玲王がそんな私の耳元でクスッと笑いながら囁く。

「ボーッとしてると転ぶぞ」

 やっぱりバレてる。

 いまだに旦那様の甘い一言にドキドキが止まらない。

 玲王の顔が近づいて唇が重なると、感無量になって涙がこぼれた。

 その涙を玲王が優しく指で拭う。

 彼の優しい眼差しを感じて見つめ合うと、お腹の中で異変が。

 ブクブク・・ブクブク。

 金魚が気泡を吐くような・・・・そんな感覚。

 何これ?

 ひょっとして・・これが胎動なのかな?

 私が固まっていると、玲王が心配して声をかけてきた。

「どうした?具合悪いのか?」

「ううん。今・・初めて胎動感じたかも」

 私がにっこり笑うと、玲王が微笑み返し、また私に軽くチュッと口付けた。
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