ルージュのキスは恋の始まり
 そして、ホテルの部屋に入ると、ベッドの上にそっと下ろされた。

「それで、どういう風に胎動を感じた?」

「・・・水の中で泡がブクブクいう感じ」

「たぶん、胎動で間違いないな。また、キスしたら起こるか試してみるか?」

 玲王がニヤリとする。

「ま、待って!大河が今度は蹴りを入れるってどういう事?」

「以前お前を泣かしたからって、みぞおちに一発殴られた」

「え?あの大河が」

「品行方正って顔してても、あいつ色々と場数踏んでるぞ」

「それは・・・ごめんなさい」

「大河の話はもういい。もう俺に集中してろ」

「でも・・・・」
 
「でも、じゃない。このルージュもいつまでもつかついでに試してやる」

 玲王が親指の腹で唇をなぞると、私の目を見つめながらキスを落とす。
< 387 / 391 >

この作品をシェア

pagetop