ルージュのキスは恋の始まり
 口調は俺様なのに、そのキスはとても慈愛に満ちていて・・・彼の愛を感じずにはいられない。

 唇が離れると、玲王は私に聞いてきた。

「どうだ?」

「わかんないよ」

「じゃあ、わかるまで」

 悪魔な笑みを浮かべながら、彼は私のウエディングドレスを器用に脱がしていく。

「玲王」

「いいから。俺を信じて楽にしてろ」

 そう言われると何も言えないが、この状況でリラックス出来る訳がない。

 玲王は私の指1本1本にキスを落とすと、次に首筋に、それから鎖骨にそっと口づけていく。

 何だかくすぐったくてクスクス笑っていると、また唇にキスされた。

「ずいぶん余裕だな」

 見つめ合ってお互いにクスって笑う。

 その時、またブクブクって感じた。
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