ルージュのキスは恋の始まり
「あっ、また胎動感じた」

 私の言葉に玲王が満足げに笑う。

「これから毎日やるか。これも胎教、胎教」

「それ本当?」

 私が真面目に聞き返すと、玲王がニヤリとした。

「俺の愛が子供にも伝わるだろう?」

「なんか嘘っぽい」

「これから試していけばそのうちわかるだろ?」

「やっぱり嘘じゃない!」

 私が口を尖らせると、玲王は真摯な目をして私に言った。

「美優を愛してる。これは嘘じゃない」

 キスの雨が私の身体に落ちる。

 それはそれは幸せなひととき。

 玲王のキスで心が満たされて、いつの間にか夢の中に誘われる。

「玲王・・愛してる」

 それは甘美な夢。
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