ルージュのキスは恋の始まり
 思わず触れたくなるその唇。

 今日は会ったときからルージュが俺を誘うように潤っていて・・・男の本能を目覚めさせようとする。

「困った女」

 堪らずそっとその柔らかな唇に触れると、それだけでは止められなくなった。

 部屋には2人きり。

 いつもくっついてる片岡も今はいない。

 こんな無防備に眠ってる女に手を出すのは俺の趣味じゃないが、この唇が俺を誘うからいけないんだ。

 そう自分に言い訳をして・・・・奪う。

 柔らかなその唇。

 俺がその感触を楽しんでそっと橘美優から離れると、彼女ははぁと吐息を漏らした。

 血色が悪かった彼女の頬も少しだけピンクに色づく。

「キスしたことを知ったらこの女、カンカンになって怒るだろうな」
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