ルージュのキスは恋の始まり
「必要ない。俺は腹が減ってる。これ以上俺をイライラさせるな」

「・・・・」

 冷めた目でキッパリ言うと、流石の片岡も諦めた。

 彬だろうが、誰だろうが俺の邪魔はさせない。

 誰にも俺は止められない。

「じじいが死んだなら線香の1本でも立ててやってもいい」

 俺が不敵にそう呟くと、俺のスマホが鳴った。

 チラリと画面を見ると、事故に遭ったはずのじじいからのメール。

 暗号のような言葉。

" ふるいにかけろ "

 ほらな、メールが打てる程度にはじじいは元気だ。

「メールですか?」
 
「ただのイタメールだ。くだらない」

 そう、くだらない。
< 90 / 391 >

この作品をシェア

pagetop