ルージュのキスは恋の始まり
 しかも、この声は今一番会いたくない相手。

 龍神玲王・・・・。

 私が顔をしかめていると、龍神社長がこっちに歩いてきた。

 わざわざ来なくていいのに。

 何で現れるのよ。

「眉間に皺」

 俺様悪魔に指摘され咄嗟に両手で眉間を押さえる。

「余計なお世話です」

 私が膨れっ面で言うと、龍神社長はフッと笑った。

「サボリ魔が偉そうに言うな」

「サボリじゃありません!息抜きです」

「そういうのを天の邪鬼って言うんだよ」

 ゲラゲラ笑いながら龍神社長が私の頭を軽く小突く。

「いたっ!そういうあなただってサボリじゃないですか」

「俺は大事な考え事してたんだよ」

「・・・あなただって立派な天の邪鬼です」
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