~闇に咲く鬼‐black flower‐~
-…い!おい!お主!!!!いい加減起きぬか!!!!-
ぐっ…!体いてぇ…鍛えといてよかった…
ん?そういやここどこだ…?
辺りを見渡すが何もない。
ただ殺風景だというわけではない。本当に何もないのだ。
ものはもちろん人も背景すらない白いような透明なような不思議な空間。

-漸く目覚めたか、我が子孫よ-

なんか声がしたので声の主を追って目線を少し上に向けるとそこには白ベースに紫のアレンジが効いた俗にいう陰陽服みたいな服を着た超絶美男子が立っていた。
おぉ、今気づいた。

-我は主の先祖というべきところに当たる者で名を安部照明(あべのてるあきら)と申す-

「あ、ご丁寧にどうも、雪紫 伊瑠です。…んで?そのご先祖様が俺に何のようです?ここはどこっすか?天国には見えないけど…」

-まぁ、そう急ぐ(せ)でないわ…此処はまぁ、分かりやすく言わば時空の狭間というやつじゃ。んで、儂は主にとある頼み事?というやつをしにきたのじゃよ-

「たのみごと?」

-うむ。儂は生前力を持ちすぎてしもうたらしくての、死人(しびと)の器では収まりきらんらしくて神になってしまったんじゃ-

ふへぇ…んな事あるんだぁ…世の中不思議なこともあるもんだ…

-それでじゃ、お主には幕末に赴き、新撰組の未来を変えて来て欲しい。-
 
あ、やっべ…話聞いてなかった笑

「いっすよー」

-軽っ!?…ごほん。そうか、ならばお主にはそちらの世界に今所持しているものの他に5つの贈り物を渡そう-

おー5つとか太っ腹~
んーじゃぁ…

「絶対に減らない石鹸、あといつでも調味料を取り出せる力も欲しいな…あとはー、暇になるからスマホにいつでもインターネット回線繋いで欲しいな。プラスでスマホの永遠充電ね。んー…最後のひとつかぁ…じゃ、着物と刀でっ!」

-む、抜かりないな…流石は我が一族1の天才児じゃ…それではとばすぞよ?着替えは転送時にしておくからの。気をつけてまいれ-

「はいはい。んじゃ、いってきまーす!」
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