いつだってそこには君がいた。






ーーガコンッ。


自動販売機の取り出し口に缶ジュースが落ちる音。


あのあと順番に投げて行き、私は結局57というショボいスコアを叩き出してチームを敗北させてしまった。


あぁあ〜、本当に申し訳ないよ〜。



「ごめんね、私のせいで」


「なに言ってんのっ。優梨ちゃんのせいじゃないよ!いきなりアイツらがカーブかけてやる〜とか言っちゃってふざけ出したから負けたのよ」



呆れた眼差しを向けた先にはボーリング場と併設されていたゲームセンターにてUFOキャッチャーに夢中になる高橋くんと結城くん。


無邪気に笑っており、すごく楽しそう。



「でも……」


「いーじゃん。楽しかったでしょ?」



沙月ちゃんの言葉に深くうなずいた。


すごく、楽しかった。


ずっと笑っていた。
ずっと、声を出して笑った。


こんなに楽しく有意義な時間は、生まれて初めてだった。


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