いつだってそこには君がいた。
*
ーーガコンッ。
自動販売機の取り出し口に缶ジュースが落ちる音。
あのあと順番に投げて行き、私は結局57というショボいスコアを叩き出してチームを敗北させてしまった。
あぁあ〜、本当に申し訳ないよ〜。
「ごめんね、私のせいで」
「なに言ってんのっ。優梨ちゃんのせいじゃないよ!いきなりアイツらがカーブかけてやる〜とか言っちゃってふざけ出したから負けたのよ」
呆れた眼差しを向けた先にはボーリング場と併設されていたゲームセンターにてUFOキャッチャーに夢中になる高橋くんと結城くん。
無邪気に笑っており、すごく楽しそう。
「でも……」
「いーじゃん。楽しかったでしょ?」
沙月ちゃんの言葉に深くうなずいた。
すごく、楽しかった。
ずっと笑っていた。
ずっと、声を出して笑った。
こんなに楽しく有意義な時間は、生まれて初めてだった。