いつだってそこには君がいた。



生まれて初めて、私は誰かといて楽しいと思えた。


笑って、笑って。


高橋くんと結城くんのおふざけを見て、沙月ちゃんと頬もお腹も痛くなるくらい大笑いした。


こんなの、今までなかったよ。本当。



「ふたりともー!こっち来いよぉ!」



高橋くんが私たちを手招きしながら呼ぶ。


沙月ちゃんと顔を見合わせると、ふたりのもとへ向かった。



「ほれ、ふたりにやるよ」



高橋くんの手から差し出されたのは、うさぎのキーホルダーだった。



「ダブルキャッチしたんだ!すげぇだろ?」



目をキラキラさせて、自慢気に話す高橋くん。
手の中にあるキーホルダーのうさぎちゃんがとても可愛らしく見えた。


……とっても嬉しい。



「UFOキャッチャーだけは得意だよね、愛希って」


「だけってなんだよ!だけって!」


「本当のことじゃない」



高橋くんと沙月ちゃんのかけ合いは面白くてつい笑ってしまう。


本当に、仲良しなんだなぁ。


< 36 / 213 >

この作品をシェア

pagetop