いつだってそこには君がいた。
名前を呼ばれて振り向くと、高橋くんが笑顔で私に手を振りながら叫んでいた。
沈む夕陽に負けないぐらい明るい笑顔と、その言葉にグッと胸を掴まれて、思わずくちびるを噛んだ。
キラキラした笑顔。
「また明日」という言葉。
どれも私はもらったことのないもの。
終わり、じゃないよね?
明日も、明後日も、私はみんなの輪の中で笑っていられるよね?
今日が終わらなければどれほどいいかとずっと考えていた。
それは明日学校に行ったらこれまで同様にひとりぼっちで本を読んで過ごす自分に戻っているんじゃないかと不安になったから。
今日の楽しさが嘘のようになるんじゃないかって、そんなマイナスなことしか考えつかなかった。
だけど……。
高橋くんを筆頭に、沙月ちゃんや結城くんの私に向かって振られている手に、明日を信じたくなる。
ーーこれで終わり、じゃないよね?
「……うんっ、また明日!」
笑顔で手を振り返す。
友だちって呼んでもいいのかわからないけれど、この繋がりを大切にしたいって心から思った。