いつだってそこには君がいた。
って、言っても、別れがたい友だちなんて、私にはいないんだけど……。
そう思うと心の中がズーンと重くなった。
ーーガラガラッ。
教室に入るとみんながそれぞれの友だちと仲良さそうに話しているのが視界に入る。
登校して来た私に声をかけて来る人なんて、いない。
なにせここに転校して来た時期が悪かった。
入学式が行われて1ヶ月が経ったころに私はこの学校へ転校して来たんだけど、グループがすでに出来上がっていた教室でコミュニケーション能力が極端に低い私が所属できるグループなんて存在しなかった。
友だちが出来ないまま2年生になって今に至るんだけど……。
「ねぇ昨日のドラマ見た!?」
「見たよーっ!キュンキュンしたよね!」
「めっちゃ続き気になるんだけど〜っ!」
「わかるー!」
みんな楽しそうに話しているなかで私ひとりが浮いたように一人席に座って読書にふける。