いつだってそこには君がいた。
できることなら、私もみんなと同じA高校に行きたい……。
「あ、おかえりー」
教室に戻った私たちに高橋くんが手をあげる。
そのなんでもない素ぶりにも胸がドキッと反応してしまう。
そんな彼の横で結城くんもこちらを見ていた。
「どうだった?」
「B高校勧められた」
「あーマジかぁ、日高頭いいもんなぁ」
しみじみ言う高橋くんが「そっかぁ」と、くちびるを尖らせる。
「でも私もみんなと同じA高校に……っ」
「それはダメだよ。日高はB高校に行かなくちゃ」
高橋くんに言葉をさえぎられて、途端に胸が痛くなる。
ダメだなんてそんな風に言われたら、悲しくてしょうがなくなる。
私だけがみんなと違う学校に受験するなんて、そんなの寂しくて、悲しい。
「俺たちも、もちろん日高と同じ高校に行きてぇよ」
「……?」
「でもレベル下げてまで俺たちに合わせることはない」
高橋くんが優しく微笑む。
「なあ?」
そう高橋くんの問いかけに結城くんと沙月ちゃんが目配せしながらうなずく。
どういうことかわからずに首を傾げた。
「俺たちが頑張ってB高校を目指そう」