いつだってそこには君がいた。



別にいいよって言ったんだけど、お母さんは聞く耳を持たずに「なにがいいかな〜」なんて浮かれてしまっていて。


楽しそうだったから、もうそれ以上はなにも言わなかったけど。



「んじゃ、またあとで」


「ばいばーい」



自宅近くの十字路。
幼馴染3人と別れてひとり家路につく。


偶然にも私たち4人の住所がそんなに離れてないことをこの前ファミレスで知った。


だから前に近くのスーパーに買い物に行った時、高橋くんと出くわしたのかと納得しちゃったけれど。


あの3人はマンションまで同じらしいから。


すごいなぁ。幼馴染って。

転勤族の私からしたら、想像もできない。


物心つく前からずっと一緒で、今、目指す高校も一緒。


お互いのことなら、なんでも知っているのかな。


なんて、知り合って3ヶ月の新参者の悩みなんて、きっとちっぽけなこと。


これから知って行けばいい。
同じ高校に行って、たくさんの時間を一緒に過ごせばいい。


今日だって、その1ピース。
これから重ねる思い出のひとつになるに決まってる。


もう友だちのことで、ネガティヴにはなりたくない。

みんなのこと、信じているから。


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