Love is up to me!【完】
「小学校に上がってから、違う町に引っ越しちゃったって聞いたけど、この辺りだったの?」
「うん、このすぐ近く」
「そうなんだ! 私もついこの前親の仕事の都合で引っ越してきて不安だったんだけど、まさか清太と再会できるとはな~。嬉しい」
「てかお前、よく気付いたよな!」
「えへへ、佐久路なんて苗字、珍しいし、顔も全然変わってないんだもん、清太」
そこで、約30センチメートルの身長差のせいでサクロの陰に隠れていた私の存在に気付いた日代さんが、あ、と気まずそうに声を出した。
急に目が合ったから、びっくりして少し身を引いてしまう。
「ごめんね? 彼女さん? 一緒に帰ってるとこだった? 邪魔しちゃったね、超ごめん」
私に言ったのかな。サクロに言ったのかな。
分からないままテンパって、ぶんぶんと首を横に振った。
「あはは、可愛い」
「だろー? うちの彼女。メーちゃんつーの。人見知りしてんの。超可愛いだろ」
「そうなんだ。……えっと、めいちゃんね、よろしく」
何故か得意げなサクロの制服の裾を掴んで、
「か、彼女じゃないです」
と小声で言って、また首を横に振る。