Love is up to me!【完】
動揺して、声が震えて恥ずかしい。
サクロが冗談を言ったせいで、頬が火照った。嘘でも嬉しかった。
「あれ、なんだ、彼女じゃないんだ?」
「ちぇ、ばれたか。メーちゃんのけち」
「相変わらず適当なことばっか言ってんだね、清太」
クスクスと笑う静ちゃんの呼ぶ、“清太”って響きが、なんだか悔しい。
ちらりとサクロを見れば、本当に嬉しそうに笑ってる。
……私は、苗字でしか呼んだことない。
「あ、そうだ。今日、もしよかったらご飯でも行かない? 話したいこといっぱいあるし」
「あー……」
静ちゃんの提案に、歯切れの悪い返事でサクロは私の方を見て、苦笑した。
……やだ。今日は久しぶりに、私と遊ぶって言ったじゃん。
もやっとした思いが、べったりと私の唇をくっつけて、『今日は静ちゃんと遊んで』って、言えなくする。
よく分からないけれど、多分、彼女はサクロの大事な友達なんだ。懐かしい人なんだ。
久しぶりに会えた人だし、ただの幼馴染の私が、引きとめる権利、ないのに。