Love is up to me!【完】
静ちゃんが本をオススメしているみたい。
……すごいなあ。可愛くて、本も好きで知的で。
私は、少女漫画以外の本を読むのは苦手で、活字を見ると眠くなってしまう質だから。
……そういえば、サクロは意外にも読書が好きだ。本の趣味が合うのかもしれない、二人は。
――って、私、何してるんだろう……!
どうしよう、すごくストーカーだ。
こっそり後をつけて二人を監視し、途切れ途切れではあるけれど人の会話を盗み聞いてるなんて。
告白するような雰囲気ではないし、もし仮にそうであったとしても私がついて行って良い理由にはならない。
じわあっと目頭が熱くなって、泣きそうになった。
楽しげに笑うサクロたちが羨ましくって、悔しい。
……二人にバレる前に教室に戻った方が良さそうだ。
「――シロタ先輩」
「へっ!? あ、はいっ?」
――そう思って本棚から一歩後ずさったところで、不意に名前を呼ばれた。
やましいことをしている自覚があったから、驚いて大きな声で返事をしてしまう。