Love is up to me!【完】
だめだだめだ、私、冷静になって。行動して。しっかりしなくちゃ。
考えて、やたら嬉しそうな表情でにこにこ笑うサクロの体を力いっぱい押して、その体から逃れた。
私の背を後ろから抱いていた彼の重みから解放され、一歩後ずさる。
そのとき、すぐ横にいた汐田くんの足を踏んでしまったが故にバランスを崩し、本棚の方へ体が傾いた。
「……あ」
サクロがこちらへ手を伸ばしたのが視界の隅に映ったけれど、気付けば私の体は彼でなく、汐田くんに受け止められている。
「ご、ごめんね! ……あ、ありがとう……っ」
やらかしてしまった、私……! 絶対大事なところでドジ踏む! 汐田くんにまで迷惑を。
慌てて彼の体から離れようとするも、私の腕をしっかり掴んで、離れない。
「……汐田くん?」
「なに、お前?」
困惑していれば、あからさまにムッとした表情のサクロが苛立ちを隠すことなく汐田くんを睨みつけた。
えっ、……あれ? なんか、あまりよくない雰囲気……。
「うちのメーちゃんに気安く触んないでくんない」
「――違うよ」
「は?」